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第1回 「ブタは犯罪者か -罰せられた動物達- 」

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間にはいろいろ変わったことを研究しておられる先生は多いのですが、最近読んだ本に仰天することが書いてありました。

池上俊一氏著「動物裁判」講談社現代新書によりますと、なんと中世フランス等においては、人を襲った動物が人間と同じように刑事裁判にかけられて、はりつけの刑にあったりしていた記録が残っているそうです。 同書によりますと、1456年フランスはブルゴーニュ地方(ワインの名産地です)でクリスマスを迎えようという時に、ジャンという5歳の男の子が1人でブタのたむろしている草原に遊びに行き(彼は普段からブタと遊んでいた)、その日もポケットから木の実を出して仔ブタに与えていたところ、近くにいた母ブタがなぜか怒り狂ってジャンを後ろから突き飛ばしただけでなく、何と彼を食い殺してしまった、というのです。ジャンの悲鳴を聞いて大人たちがかけつけた現場には、ジャンの遺骸と口辺に肉片をくっつけた興奮した母ブタと、その周りを赤い血を体につけて走り回る仔ブタたちがいました。

母ブタ仔ブタはその直ちに現行犯として「逮捕」されました。

ブタというのは我々にも大変馴染みのある動物で、その容姿や鳴き声からは、ユーモラスな印象を与えるのですが、なかなか凶暴な性格を持っている動物でもあるようで、特に繁殖期や屠殺期にあるブタは大変危険な存在になるようです。この当時はブタに襲われて怪我をする人間はかなりいたようです。けれども、さすがに、ブタが人間を食い殺すという出来事はショッキングだったようで、議論の末、裁判をすることになったそうです。

そう言えば、アンソニー・ホプキンスが主演した「羊たちの沈黙」の続編の「ハンニバル」という本(映画)では、レクター博士が誘拐されて腹をすかせた巨大なブタに食われそうになるシーンがありました。私も実は本でこのシーンを読んでいて、ブタに襲われて食い殺される人間がなんとも切なくて、「おいおい、ブタってそんなにおそろしいのかよ?!(自分も死ぬ時は、ブタに食われて死ぬことだけは避けたい!)」と驚き嘆きましたが、このフィクションをもろに地で行く実話があったのです。

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