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債務の問題

債務超過・支払不能の状態に陥った人(会社)が、裁判所の手を借りて、「破産状態」にあることを認めてもらい、破産管財人によって自分の持っている財産をお金に代えて、それを債権者に配当して清算する手続のことです。

B破産とはなんぞや?

@ 破産とは 

 要するに、債務超過・支払不能の状態に陥った人(会社)が、裁判所の手を借りて、「破産状態」にあることを認めてもらい、破産管財人によって自分の持っている財産をお金に代えて、それを債権者に配当して清算する手続のことです。

A ポイント 

ここでポイントになる点をいくつか挙げます。

ア 破産申立をすると債権者からの追求が止まります。

債権者は返済を迫ったり、債務者の財産を持ち出したりできなくなります。後の対応は代理人である弁護士が行います。 →このため、債務者にとっては非常に肉体的にも精神的にも楽になります。

イ 破産申立をした後は、債権者への支払いをする必要はなくなります。

→その後に働いて得た給与等の収入は全て自由に使えるようになります。

ウ 破産のデメリット

よくある質問で、破産するとどんなデメリットがあるのでしょうか、というのがあります。

a. 直接のデメリットとしては、社会的な信用を失うという点です。

b. 信用情報機関のブラックリストに載ります。

そのため、その後は銀行やカード会社のカードの使用はできなくなりますし、もちろん新たな借り入れはできなくなります。ですが、こういったデメリットも、破産をした後、借金をせずに健全な生活を続けていけばいいわけですし、銀行に預金口座を持つことはできますから、破産したあとに地道に努力していって、こつこつと預金をしていけば、そのうちにその銀行に信用ができますから、比較的早めにカードを作ったりできることになります。

c. よく、戸籍に記載されるのかとか選挙権がなくなるのかという質問がありますが、現在はそのようなペナルティはありません。
d. 法律上のマイナス点としては、資格のある職業(弁護士や公認会計士等)になれないとか、成年後見人になれないとか、取締役になれないとかといった制限がありますが、大多数の方にとっては意外な感がするほど大したデメリットではないでしょう。他に、警備員や保険の外交員にもなれないという制限があります。
e. 個人の場合、破産したからといって退職を強要されることはありません。
f. なお、破産手続中は、郵便物が管財人の所に届くとか、住居を勝手に移せないといった制限があります。

エ 自己破産申立手続の流れ

      弁護士への依頼
           ↓
      打ち合わせと資料の収集
           ↓
      破産申立書の作成と提出
           ↓

  以後は、配当可能事案かそうでないかによって、2つに分かれます。

オA 配当できない事案(同時廃止事件)の場合

           ↓
      破産手続開始決定 ・ 同時廃止決定
・配当が見込めない同時廃止事件の場合、破産管財人も選任されず、財産をお金にかえることはされません。裁判所が書面審査をして、破産手続開始決定と同時に破産廃止決定がなされ破産手続が終了します。問題がなければ、破産開始決定と同時に同時廃止決定がなされます。            ↓
      免責に対する債権者の異議申述期間の決定
           ↓
      免責決定 ・特に債権者からの異議がなければ、免責決定が出ます。

オB 配当可能事案(管財事件)の場合

           ↓
      破産手続開始決定・破産管財人の選任
・裁判所が破産管財人を選びます。管財人は申立をした弁護士とは別の弁護士が選ばれます。
・以後は、管財人が破産者の財産の換価や債権の調査、税金や未払い賃金の支払いといった手続を行います。破産した人は管財人に協力する必要があります。
           ↓
      第1回債権者集会  ・破産手続開始決定から約3ヶ月後に開かれます。
           ↓
      債権者への配当 
           ↓
      廃止決定 
           ↓
      免責 

オC 異時廃止の場合

 管財事件の場合でも、進行中に破産財団に十分な金額がなく、手続費用を賄うだけで精一杯で配当原資が作れないことが判明した場合には、「異時廃止」といって、配当手続をせずに手続を終了させる場合があります。

カ 手続に要する時間

a. 破産申立の準備に4日〜1週間はいります。
 現在、大阪地裁で破産申立をする場合、裁判所の求める資料や開示すべき事項が多数あり、これらを一度で準備することは事実上できません。

b. 個人の破産事件では、特別に債権者に配当できるような資産がない場合がほとんどです。 その場合、破産申立と同時に手続を終了する「同時廃止」という手続がとられます。
したがって、破産申立の書類を裁判所に提出して、いろいろな補正がなければ、2週間前後で手続が終了します。

c. これとは別に、何らかの配当ができそうな資産がある場合とか、資産はないが、会社の経営者や事業をしていた人、不動産を所有している人の場合には、「破産管財人」を裁判所が選んで、管財人が資産や債権を調べるという手続が行われます。
 この場合には、手続の終了までに約6ヶ月を要します。
しかし、規模が大きい破産とか多少問題のある破産などはもう少し時間がかかります(1年〜1年半くらい)。

キ 手続に要する費用について

a. 破産するには「費用」がいります。
「費用」には大きく分けて、「裁判所に支払う費用」と手続を依頼した「弁護士に支払う費用」の2種類があります。

b. 「裁判所に支払う費用」 事案によって定まっています。
 予納金とその他実費(手数料、切手代、官報広告費用)がいります。  その金額は、配当が可能な事案か配当できない事案かによって、必要な費用の額が異なります。

c. 「配当可能な事案」(管財事件)の場合
  破産管財人を選びますが、大阪地裁の扱いでは、これが2種類に分かれています。
裁判所の呼び名では、一般管財事件個別管財事件と呼ばれています。 多くの事件は一般管財事件となります。
・個別管財事件というのは特殊な案件で、債権者数が多いとか、換価する資産が多いといった事件です。
・事件の類型に応じて、裁判所へ予納する金額が
一般管財事件では22万円程度
個別管財事件は50万円以上必要な場合もあります。

d. 「配当できない事案」(同時廃止事件)の場合
債務者の資産が少なく破産手続を進めるために必要な額のお金がない場合、配当可能性がないため、同時廃止といって、破産管財人を選ばずに簡易に手続を終了させる手続が取られます。
・ 最低限の費用として、2万円程度は必要になります。

e. 「弁護士に支払う費用」は弁護士によって多少の違いはあるようです。
 私の場合どうかというのは、弁護士の費用の項で説明しましたので、ご覧ください。

ク 免責手続について

a. 個人の破産に限定した話ですが、破産と平行して免責という手続を経て裁判所から免責決定というお墨付きをもらうことが重要です。

b. 「免責」というのは、文字通り、責任を免除してもらうことで、これを得ると、法律上は債務の免除を受けたことになり(いわゆる「チャラ」の状態)、支払いをする必要がなくなります。但し、税金(社会保険料も)の債務や故意・重過失による損害賠償債務は免責の対象になりません。

c. また、免責には「復権」という効力もあり、法律上の資格制限から回復します。

d. 免責を得るためには、一定の免責不許可事由(債権者を害する目的で財産隠匿とした場合とか、騙して借入れをした場合とか、浪費賭博等のために借入れをした場合。過去7年間以内に免責許可を得ている場合等)がないことが必要です。

ケ 手続に必要な書類

a. 申立書 (弁護士が作成します)
b. 報告書 (弁護士が作成します)
c. 債権者一覧表
d. 財産目録等
e. 別表に記載したもの
  書 類 等 詳細・注意事項
戸籍謄本(又は外国人登録原票記載事項証明書) 3ヶ月以内
住民票 3ヶ月以内、世帯全員の記載(本籍の省略のないもの)
賃貸借契約書等 自宅やガレージを借りている場合
商業登記簿謄本 会社の代表者の場合
負債に関する資料
・借用書、契約書、請求書、クレジット利用明細書等
財産に関する資料
・預貯金通帳(全て) 過去1年分(最新の動きを記帳する必要があります)
・保険(共済)証券、契約書等 生命保険、火災保険、自動車保険等
・保険解約返戻金(見込)額証明書 保険会社に問い合わせて、書類でもらって下さい。
・退職金(見込)額証明書等 勤続5年以上の場合。会社からもらって下さい。
・不動産登記簿謄本(共同担保目録も含む) 現在所有するもの(本人、配偶者名義のもの)及び過去2年以内に取得した不動産
・固定資産評価証明書 上記の評価額がわかるもの
・不動産の評価に関する書類 不動産の時価を証明する必要ある時
・車検証(又は登録事項証明書) 自動車を保有している場合
・自動車の評価に関する書類 その自動車の評価額がわかるもの。中古業者やディラーに査定しもらって、書類でもらって下さい。
・その他上記以外に有している財産があればその資料
収入に関する資料
・所得証明書(源泉徴収票等) 直近2年分
・給与明細書 勤め人の場合。直近2ヶ月分
・生活保護、公的年金、失業保険の各受給証明書 受給している場合
・確定申告書
・元帳(又は金銭収支表)
・決算書
(又は貸借対照表・損益計算書)
現在個人事業者又は過去6か月に個人事業者であった場合。

直近2期分
家計収支表 直近2ヶ月分
公租公課に関する資料

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