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家庭の問題について

1.夫婦の問題

(4)離婚した夫婦の年金の分割

【 事例 】

離婚した夫婦の年金の分割 ―離婚した妻が夫のかけていた年金の分割を請求できるか
最近、新聞や雑誌の報道で、「いずれ将来離婚した妻は夫の年金を分けてもらえる。だから、今は我慢してその時を待ったほうがいい」というような記事をよく見るようになりました。 私の夫もサラリーマンで、あるメーカーに勤めて36年ほど経ち、いずれ定年を迎えるのですが、これまでの夫との生活はすれ違いの人生であったような空しさを感じております。いろいろ考えた末、夫が定年になったら離婚を申し出て、これからの人生を私自身で生きたいように思っています。 つきましては、夫と離婚する際に年金を分けてもらえるというのは本当なのでしょうか。また、いつからそのようなことが認められようになるのでしょうか。教えてください。
1 平成16年に年金関連法が成立し、離婚時年金分割制度ができました。

もともと年金制度自体が複雑であり、その全貌を正しく理解するのが難しいため、離婚時年金分割制度についても、これを正確に説明することはいささか難しいのですが、要点を簡潔にご説明しましょう。したがって、以下の説明はあくまでもおおまかな説明であり、細かい例外等は省いているという前提でご理解ください。また、以下の説明では、仮に妻が共働きをしていたとしても、妻の厚生年金保険料のほうが夫より少ないのが通常でしょうから、そのような前提に立って説明しております。

2 離婚時年金分割制度は法的な手当がなされたという段階であり、まだ現実には始まっていません。

それではいつからこの制度を利用できるのかと言いますと、分割の種類によって2つの時期に分かれます。1つは合意分割によるものであり、これは平成19年4月1日から施行されます。2つ目は3号分割「3号」という名前の由来は、年金制度の3号被保険者であった期間を対象とする分割制度であることによる)と呼ばれるものであり、これは平成20年4月1日から施行されます。
この2つの分割制度の違いは次項以下で説明しますが、いつから利用できるか、もしくは、いつから利用するのが賢いか、という観点から結論を平たく言えば、平成19年4月1日以降にとにかく急いで離婚をしたい方は、とりあえず合意分割という分割制度を勉強して、これに基づいて離婚を実現すれば良いのですが、離婚を平成20年4月1日以降にしても差し支えない方は、それまで待って離婚すれば、合意分割と3号分割の両方の制度を使うことができるというメリットがあることです。

3 次に、覚えておかなくてはならないのは、分割の対象となる年金は、厚生年金、共済年金の報酬比例部分等に限られる、ということです。

反対に言えば、国民年金等の基礎年金部分や国民年金基金、厚生年金基金等は対象にはなりません。したがって、夫が民間のサラリーマンであったり、公務員であったりした人(つまり、2号被保険者)の妻であれば、この制度を利用して年金の分割を請求できるのですが、夫が自営業者(つまり1号被保険者)であった妻は、残念ながらこの制度を利用できません。私を含めた自営業者を夫に持つ妻は、年金の分割制度の恩恵にあずかれません(合掌・・気の毒な妻へ)。

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