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法人の法律問題・対処法,取り扱い事例

債権回収についての実例紹介

1.債権回収の方法

@ 内容証明作成;弁護士名によって支払いの催告をします。時に有効です。

A 示談交渉;相手方との交渉により、早期かつ安価に解決を導きます。
場合によっては、担保の徴求、保証人の徴求、公正証書の作成等の手段が有効です。

B 仮差押;相手の資産がわかる場合には、仮差押えが有効です。

C 調停、訴訟;任意に支払いに応じない相手には、法的手段しかありません。

D 売掛金の保全手段
 @ すぐにできる方法
   イ 担保をとる。
   ロ 社長の個人保証をとる。
   ハ 商品を購入し、売掛金と相殺する。
 A 少し手間と費用がいる方法
   イ 仮差押
 B 比較的早期に対処できる方法
   イ 示談交渉
   ロ 債務弁済契約書の作成
   ハ 公正証書の作成
 C 多少時間と費用を使う方法
   訴訟提起

2. 取扱い事例

売掛金の回収
(平成26年度事例)
<事例1> 訴訟手続によらない回収事例
繊維生地を販売しているA社の販売先B社が自己破産
製品はB社を経由せず直接大手のC社へ納品されていて、C社の受領伝票あり
売掛金を回収したい。C社から債権回収ができないか。
@(争点) A(対処)
@ B社からは取れない。C社とは直接の取引関係はない。

A 自己破産の場合、管財人がつけば、通常は管財人がC社に対し、B社の売掛金を支払うよう通知を発送する。
→C社がそれに応じて支払いをしてしまえば、C社からは回収できなくなる。
→早期対応が必要
@ 動産売買先取特権に基づいて

A 物上代位により

B 裁判所に対する差押申立により、B社のC社に対する売掛金を差押えて、C社から支払いを受ける。
B(結果)
@ 裁判所が申立を認容するまでに、色々な資料の提出を要求されて、時間はかかったが、裁判所は申立を認めて、B社のC社に対する売掛金を差押える決定を出す。
A 差押命令に基づき、C社から手形の交付を受けて、売掛金の一部を回収
ワンポイントアドバイス
動産売買先取特権(サキドリトッケン)とは?

ア)
 一般に、売掛金等を有する債権者は、他の債権者と平等の立場でしか債務者の財産に対して権利を行使することができません。しかし、法律(民法)で、特別な債権者には、他の債権者に優先して債務者の財産に対して権利を行使できることが認められています。この法律で認められた特別な優先的権利が先取特権というものです。

イ)
 先取特権には色々な種類がありますが、その中で特に一般の商取引で発生することが多いのが、動産売買先取特権というものです。
これは、動産を売却した場合、売主が買主に対して売買代金債権を有していますが、その場合、売主は自身が売却した動産について、先取特権を持っています。

ウ)
 したがって、動産の売主は、売却した動産を差押えて競売することができます。しかし、この事例のように、その動産がC社に引き渡されてしまったような場合には、売主は先取特権を行使することができません。

エ)
 それでは、何ができるかと言いますと、先取特権には物上代位(ブツジョウダイイ)権という権利がありまして、動産そのものに権利行使できない場合でも、動産が形を変えたもの、すなわち、その動産が第三者に売却されたような場合には、債務者が第三債務者に対して有することになる売掛金債権がそれに該当しますが、そうした権利に対して、先取特権を行使できるのです。

オ)
 したがって、本事例のような場合には、A社はB社がC社に対して有する売掛金債権を差押えることができるのです。
但し、当然のことですが、差押が可能なのは、C社がB社に売掛金の支払いをする前までであり、支払いを終えてしまっていれば、差押はできません。



カ)
 しかし、この先取特権は、債務名義なしに差押を認める権利であり、しかも、訴訟手続といった厳密な手続を経ることなく権利を認める制度なので、裁判所は、権利の存在について、厳密な立証資料(継続的売買基本契約書、動産が第三者に移っていることの証明資料等)を要求します。したがって、こうした資料が揃っていない場合には、申立が認められない可能性があります。


売掛金の回収
(平成24年度事例)
<事例2> 代金の未収
A社が輸入品を継続してB社に販売しているが、代金の未収が増加している。
@(争点) A(対処)
@ 売掛金回収方法

A B社との取引は継続する。
@ B社との間で基本契約書を締結する。

A 代表者の個人保証をとる。

B B社の有する債権を担保(集合債権譲渡担保契約)にとる。
B(結果)
合意による解決


売掛金の回収
(平成24年度事例)
<事例3> 破産管財人からの破産会社の立替払い金請求(1500万円以上)を放棄させた事例
A社と破産会社との間で、金銭のやりとりがあり、破産管財人には、破産会社の債権が多い(1500万円以上)との資料が渡っている。
@(争点) A(対処)
@ 債権がないことの証明ができるか。 @ A社代理人として、
   管財人と交渉、資料の提供
B(結果)
全額の請求を放棄させることに成功


貸付金の回収
(平成25年度事例)
<事例1> 貸付金回収
A社がB社(フィットネス経営)に対して貸付金があるが、回収が困難であるから、別の方法で回収したい。
@(争点) A(対処)
@ 貸付金回収方法

A B社の業務は継続させる。
@ B社の機械を貸金の代物弁済として所有権を譲り受ける。

A その機械をそのままB社に貸与する。
B(結果)
合意による解決


賃借していたビル敷金の回収
(平成25年度事例)
<事例1> 支店移転における敷金
A社東京支店を移転することになり、転居するが、元の賃借ビルの家主が敷金を返還して来ない。
@(争点) A(対処)
@ 賃貸借契約解約の意思表示を
いつ行ったか。

A 契約書では原状回復工事を家主の指定業者によって行う旨の条項があったが、家主が非協力の場合、この条項が適用されるか。
提訴
B(結果)
@ 1審で全面勝訴
A 相手方控訴
B 控訴審で和解



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